フィナステリド服用中の子作りについて

フィナステリドは男性型脱毛症の薬ですが、この薬を服用中の子作りについては何か影響があったりするのでしょうか。この答えは、実は大ありです。極めて重要な注意点がありますので、絶対に間違った使い方をしないように気をつける必要があります。この理由についてきちんと理解するのは、まずはこの薬がどのようにして効果を発揮するのかをある程度知る必要があるでしょうから、まずそれを説明します。この薬は、男性ホルモンに影響するですが、テストステロンという物質がジヒドロテストステロンという物質に変換されることを阻害する働きがあるのです。要は、このジヒドロテストステロンが脱毛を起こさせる働きがあるので、それを阻害することで男性型脱毛症の治療薬になるというわけです。テストステロンもジヒドロテストステロンも男性ホルモンであることを知っておいてください。

それで、この薬を服用中の子作りについての話に移りますが、ではこの薬を服用している男性が性交をしたとして、精液あるいは精子に何か悪影響があるということでしょうか。これについては、実は何とも言えない部分があり、確かにこの薬の副作用として、そもそも性欲が低下したり、あるいは精液中の精子の濃度が減少したり、静止の運動性が低下したりすることがあることが知られています。ですから、この薬を使用中の男性が子作りをしても、そうでないときと比べると相手の女性を妊娠させる可能性が少なくなるようなことがあるかもしれません。しかし例えば、障害児が生まれる可能性が高くなるとか、そのような大きな問題があることは特に報告されていませんから、別に性交をすることそのものにさほど問題があるというわけではありません。大きな問題が生じる可能性があるのは、実はこの薬を女性が間違って使用したときなのです。初めに断っておきますが、この薬はあくまでも男性にしか効果がありません。女性でももちろん脱毛を起こすことはありますが、この薬を女性が使ってもまず効果は期待できないので、女性は使用すべきではないのです。ところが、そういうことは頭では分かっていても、いわば藁にもすがるような思いで、効果があれば儲けものといった程度の感覚でこの薬を使いたくなる女性がいることも事実なのです。

この場合の子作りには大きな問題が生じる可能性があります。男性がこの薬を服用していたとして、別に精子の数や運動性が低下する程度に留まるのですが、女性の場合は全く話が異なり、まさに体内に入ってくることになるわけです。そして、この場合の体内とは胎児の体内も含まれるのが恐ろしいところで、胎児が男の子であった場合に大問題になる可能性があります。胎児である男の子は、当然ながら胎内で発育を続けなければなりません。そのために男性ホルモンが重要な働きをすることは言うまでもないことで、ここでこの薬の効果によって男の子の体内で全くジヒドロテストステロンが産生されないような状態になると、男の子の発育、とくに男性生殖器の発達に大きな影響があることが考えられるのです。

ですから、妊娠している女性とか、あるいは妊娠の可能性のある女性、妊娠を計画しているような女性は絶対にこの薬を使用してはいけません。万が一この薬を使用中に男児を妊娠した場合、障害児になる可能性が高まるからです。というか、そもそもの話をしますと、先ほども述べたようにこの薬は女性には基本的に効果が期待できませんから、この副作用の重大さを考えれば、妊娠しているとかその可能性があるとか計画をしているとかには一切関係なく、とにかく全ての女性はこの薬を使用するべきではないということになるのです。

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